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90日で実現するAI搭載MVP開発の進め方

アイデア検証からプロトタイプ開発まで。ビジネス価値を素早く検証するためのAI MVP開発プロジェクトのロードマップ。

佐藤 裕介

佐藤 裕介

フルスタックエンジニアとして15年以上の経験を持ち、スタートアップから大企業まで幅広いプロジェクトに携わってきました。

AI MVP MachineLearning Startup ProductManagement
90日で実現するAI搭載MVP開発の進め方

はじめに

AI技術を活用した新しいプロダクトのアイデアはあっても、どこから手をつけて良いかわからない、あるいは開発に膨大な時間がかかるのではないかと懸念する企業は少なくありません。解決策は、MVP(Minimum Viable Product)アプローチです。この記事では、AI搭載プロダクトのMVPを90日間という短期間で開発し、ビジネス価値を素早く検証するための実践的なロードマップを提示します。

フェーズ1: 課題定義とデータ評価 (1-30日目)

Week 1-2: ビジネス課題の特定

  • 解決したい具体的なビジネス課題は何か?
  • AIを使ってどのようにその課題を解決できるか?
  • 成功の測定指標(KPI)は何か?

Week 3-4: データ収集と評価

  • 課題解決に必要なデータは存在するか?
  • データの量、質、利用可能性を評価する(データアセスメント)。
  • PoC(概念実証)に必要な最小限のデータを収集・準備する。

フェーズ2: プロトタイピングとモデル構築 (31-60日目)

Week 5-7: ベースラインモデルの構築

  • オープンソースのモデルや既存のAPI(OpenAI, Google AIなど)を活用し、迅速にベースラインとなるモデルを構築する。
  • 精度よりも、まずは「動くもの」を作ることを優先する。

Week 8-9: プロトタイプUIの開発

  • モデルの入出力を検証できる、ごくシンプルなUI(Webインターフェースなど)を開発する。
  • StreamlitやGradioといったツールを活用すると迅速に開発できる。

フェーズ3: ユーザー検証と改善 (61-90日目)

Week 10-11: 内部ユーザーによるフィードバック

  • 開発したプロトタイプを、まずは社内の関係者や一部の協力的なユーザーに使ってもらう。
  • 定性的なフィードバックを収集し、課題を洗い出す。

Week 12-13: 改善と次のステップの計画

  • フィードバックに基づき、プロトタイプを改善する。
  • MVP開発の結果(技術的な実現可能性、ユーザーの反応、ビジネスインパクトの予測)をまとめ、本格開発に進むか、あるいはピボットするかの意思決定を行う。

まとめ

AI開発は不確実性が高い分野だからこそ、小さなサイクルで仮説検証を繰り返すMVPアプローチが極めて有効です。90日間という期間で、完璧なAIを作るのではなく、「ビジネス価値を生む可能性のあるAI」の仮説を検証することに集中しましょう。

著者について

佐藤 裕介

佐藤 裕介

フルスタックエンジニアとして15年以上の経験を持ち、スタートアップから大企業まで幅広いプロジェクトに携わってきました。

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